最先端の歯科治療を求めて
〜フィンランドでの勉強会に参加してきました〜

はじめに

6月23~28日、世界的に有名な歯科医療機器を取り扱うPlanmeca本社にてPlanmeca academyを受講する機会が得られたので、世界でも活躍されている日本の歯科医師の方々と参加してきました。

Planmeca academy参加メンバー

参加を決めた理由

日本の歯科医療の良いところは保険診療により、誰でも気軽に歯医者に通えることです。
その反面、保険診療内での治療が一般的になりすぎていることが課題として挙げられます。
世界に目を向けると技術革新が進み、新しい素材や新しい治療法が次々と生まれています。
これらの最先端治療を駆使すると歯の寿命を伸ばせるだけでなく、体に優しく患者さんへの身体的負担も軽く済むのです。
しかし、そういった技術は日本にいては中々取り入れることができませんでした。
実はこのacademyに参加するのは今回で2回目になります。
以前参加した際も素晴らしい技術やこれから先の歯科医療の展望が見ててとても有意義だったとこ、日本での治療にもとても役立つ知見が得られたことで、今回の参加も決めました。

Planmeca本社について

Planmeca本社はヘルシンキ(フィンランドの首都)から車で30分ほどのところにあります。
オフィスだけでなく、フルオートメーションで稼働する工場や研究施設など広大なエリアを見て回りました。
元々デンタルチェアーの開発から始まった同社ですが、45年間も右肩上がり成長をみせ、売り上げの10%を開発に当てているため今ではX線装置といったハードウェアから現在の歯科医療機器には欠かせないソフトウェアまで開発が行われいます。
日本ではあまり知られていませんが、その特許は400を超え、ヨーロッパやアメリカを中心に100ヶ国以上の国に広がっています。

Planmeca本社で研修

現地にて

これからのデンタルクリニックが成功するポイントとして

①クオリティーの高い治療
②患者のチェアータイムの最小化
③医院利益の最大化
を挙げつつ

それを最先端の医療機器によりどのように実現していくかの説明や紹介をPlanmeca社からいただきました。
また、インプラント治療のシミュレーションや口腔内スキャナーのデモを体験しました。
もちろん体験だけで終わらず、現場で治療に当たる我々歯科医師とのディスカッションが繰り広げられるのですが、驚いたことは昨年現場の意見として挙げていた要望が見事に改善されていたことです。
また一人だけでなく、同じように治療に当たる歯科医師の考え方や治療方法を共有することができたことは今後、当クリニックに来てくださる患者さんへの治療に活かせることが多くありました。

Planmeca研修

最後に

世界の最先端技術や、世界で活躍される歯科医師との時間は刺激的でとても貴重なものになりました。
しかし、同時に忘れてはならないと感じたことがあります。
必ずしも最先端の治療法が、患者さんにとってベストな治療法という訳ではないということです。
100人いれば100通りの治療法があるのが歯科治療です。時には保険治療がその患者さんにとってベストな場合もあります。
もちろん予算感やライフスタイルなどさまざなま要素も患者さま一人ひとりで違うのが当たり前です。
私は、そんな一人ひとりの患者さんそれぞれに、最良の歯科治療を提供できるよう選択肢をたくさん持っておくことが重要と考えています。
そのため今後も、いち歯科医師として知識・技術ともにしっかりと磨いていきたいと思います。