天然歯を失ってしまう方へ

歯を失いやすい年齢とは

日本では30~40代で永久歯を失う本数は平均でも1本未満ですが、50代以降は急激に増えていきます。歯を失ってしまうと身体全体に影響が出るため、歯の本数と健康寿命の関連性も研究されています。

一人あたり残存歯数(永久歯)グラフ
引用元:平成28年厚生労働省歯科疾患実態調査

お口と歯の役割

歯は日頃から食事の時に噛むほかに、発音や表情を作る働きがあります。また、よく噛むことで、

  • 唾液が出て、歯と口の病気を防ぐ
  • 消化を助ける
  • 胃腸の働きを促進する
  • 満腹感が得られて、肥満を防ぐ
  • 全身の体力やバランス感覚を向上させる
  • 老人性痴呆症を予防する

といった機能があります。歯を失うということは、これらのバランスが崩れてしまうことを意味しています。

インプラントとは、天然歯を失っても、全身の健康に最も影響の少ない最新治療法

インプラントは、歯を失ってしまった場所に入れる人工歯です。インプラントを入れる際は、歯茎にある骨(歯槽骨:しそうこつ)にチタンという金属の土台を埋め込み、その上に人工の歯を取り付けます。チタンという金属は、歯と強く結合して一体化するという特徴があるため、まるで天然歯のように噛むことができるのが特徴です。

インプラントイメージ

インプラントのメリット

  • 天然の歯とほとんど同じ感覚で噛めます。
  • 白いセラミックを入れるため、自然な外観や表情を取り戻せます。

インプラントのデメリット

  • 外科的処置が入るため、身体的負担がかかります。
  • 保険適用外のため、100%自己負担
  • 人工の歯が骨と結合して噛む力ができるまで、治療期間は3~6か月かかります。

インプラントは虫歯にならないからお手入れは不要?

インプラントは人工歯のため虫歯にはなりません。だからといって、お手入れをしなくていいわけではありませんのでご注意ください。特にインプラント周辺の歯茎は通常の天然歯よりも血液量が減るため、歯肉の抵抗力が下がります。そのため、歯周病のリスクが高まります。歯周病は歯茎の炎症を起こす病気で、悪化してしまうと歯を抜け落ちさせる病気です。インプラントを入れた場合は、その後もしっかりとお手入れをして、歯周病の原因菌が繁殖するのを防ぎましょう。

インプラントイメージ

インプラント手術で起こりやすいトラブルとその回避法

インプラントは手術をします。手術というと不安を覚える方もいるかもしれません。たしかに医療なので100%はありませんが、その中でもありがちなトラブル3点を回避できる歯科医院で手術することをお勧めします。

1大きな血管や神経を傷つけないこと

歯茎の中には、大きな欠陥や神経が通っており、万が一それを傷つけてしまった場合、麻痺や大量出血につながります。これを防ぐには、血管や神経を事前に把握した上で、インプラントの入れる角度・深度を調整する必要があります。

2隣の歯との位置関係

特に2本以上並んでいる歯をインプラントにする際は、インプラントの角度が数°ずれただけで隣接する歯に影響してしまう場合があります。

3奥歯にインプラントを入れる際は、副鼻腔に突き抜けないこと

奥歯の骨の先には副鼻腔という空洞があります。その空洞にインプラントが突き抜けてしまうと、お鼻のトラブルが起きてしまう原因となります。

当院のインプラント治療~安心・安全な治療のために~

3Dシミュレーション

当院では治療前にお口の診査とCTスキャンを撮影します。CTでは3次元的にお口の写真を撮影。血管や神経などを配慮し、パソコンで治療のシミュレーションを行います。その上でインプラント埋入の位置・角度・深度を決めていきます。インプラントの埋入をする際、お口には触れてはいけない血管や神経があるので、事前の3Dシミュレーションは大切です。

シュミレーションの結果、骨が少ない場合は再生療法として骨造成を行うこともあります。
(※当院は国に再生医療等提供機関として届け出ています)

高精度なインプラント埋入術

当院でインプラントを埋め込む際は、ガイドを着けて行います。ガイドとは、マウスピースのようなもので、患者様のお口や埋入シミュレーションのデータを基に作成します。ガイドを使った手術を行うことで、深度や角度も高精度にコントロールが可能となります。ガイドという技術が出てきたことで、より安全にインプラント治療を行うことが可能になりました。

トップシェアブランドのノーベルバイオケア社を使用

当院では、トップシェアブランド・ノーベルバイオケア社のインプラントを使用しています。当クリニックでは40年以上の臨床実績があり、自信をもってお勧めしています。

インプラントイメージ

万全の滅菌体制

当院では、インプラントの手術は手術室を使用し、滅菌環境をコントロールしています。また、治療中に飛散する粉塵や細菌、水しぶきなどを吸い込まないよう口腔外バキューム装置を使用しています。使用した器具は、オートグレープ(滅菌機)という高温高圧蒸気で滅菌処理します。オートグレープで滅菌処理をする前にはまず、それぞれの菌を消滅させる薬剤を入れた超音波にかけ、最後にオートグレイプ(滅菌機)で滅菌処理を行います。さらに、院内の壁紙には、光触媒壁紙、スーパーチタンを使用しています。屋内の蛍光灯の下でも効果を発揮し、細菌を分解します。

院内イメージ

インプラント治療の流れ

治療期間は3か月~6か月が基本となります。
※治療期間はインプラントを入れる位置により異なります。

検査・診察

1検査・診察

インプラント治療に必要な検査を行い、インプラントの治療が可能かどうか、治療をするとしたらどのように治療していくかを患者様と相談しながら決めていきます。

インプランと埋入手術(1回目)

2インプラントと埋入手術(1回目)

歯茎を開き、歯茎の中にある骨(歯槽骨:しそうこつ)にインプラントと同じ大きさの穴を形成。しっかりと固定するように、インプラントの土台を入れ、歯茎を閉じます。

インプランと埋入手術(2回目)

3インプラントと埋入手術(2回目)

インプラントの土台が骨と結合したら、人工歯を取り付けるための部品を着け、歯茎から露出させます。

仮歯の取り付け

4仮歯の取り付け

お口の中の型をとり、あなたの歯に合った仮歯を制作、噛み合わせを調整します。

完成

5完成

セラミックの人工歯を取り付け、土台部品の装着して完成となります。

メンテナンス

6メンテナンス

治療後の様子を見るとともに、インプラント歯のお手入れ方法を指導します。

当院の特徴

総合的な診察眼

当院は、一般歯科医です。1つの院内で、虫歯の治療もインプラントの治療も行います。歯周病や歯の咬み合わせ、予防歯科などの総合的な観点から、インプラントの治療計画を立てています。

通いやすいメンテナンス

虫歯治療や定期健診も行っているため、その中でインプラントの予後を見ることができます。インプラント治療をした方に限らず、3~6か月に1回の通院をお勧めしています。この期間で通院すれば、虫歯や歯周病の原因治療ができる場合が多いためです。

保存歯科を中心に行っています

インプラントは歯を失ってしまう方のための治療ですが、当院の治療方針の根底にあるのは保存歯科です。お口の健康を長く保つために、虫歯の治療や歯周病の治療を行うのはもちろんですが、虫歯や歯周病にならないための原因治療に力を入れています。

インプラント治療を受けるには

インプラントは顎の骨が完成する20歳前後から、お年寄りまで健康な方であればどなたでも可能です。ただし、以下の方は治療が制限される場合があります。

  • 歯がない部位の骨の量が少ない方
  • 妊娠中の方
  • 糖尿病・腎不全・肝炎・心臓病・ぜんそく・リウマチ・骨粗鬆症・高血圧の方など
  • 入れ歯がなじまない方
  • 歯科医師に抜歯を勧められた方

まずはご自身がインプラント可能かどうかについて、歯科医にご相談ください。