インプラントと入れ歯でお悩みの方へ

ご自身の歯を失なった場合の治療法

ご自身の歯を失なってしまう時にする治療を欠損治療といいます。欠損治療にはインプラント・入れ歯・ブリッジなどの治療法があります。
しかし、どの治療法にすべきか悩む人も多いのではないでしょうか。
最善の治療法は、状況により異なります。

院長イメージ

最終的には、ご自身が決断すること

歯を失う状況にもよりますが、治療法の選択肢が複数ある場合が多いです。
当院ではどの治療法も可能ですので、どの治療にするかは患者さんとお話をして、最終的には患者さんご自身に決めてもらっています。

インプラントと入れ歯の違い

一番の違いは、埋め込むか、埋め込まないか

  • インプラント→歯を顎の骨に埋め込む
  • 入れ歯→歯茎の上に装着する

ということが一番の違いです。ここから色んなことに違いが出てきます。

インプラントと入れ歯の違い

つけ心地

インプラントは、骨に埋め込みしっかり固定されるため、ご自身の歯と同じような噛み心地となります。
入れ歯は、歯茎に着けるので、異物感が出てしまいます。また経年劣化によりぐらつきが出たり、発音しづらさ(サ行・タ行など)、痛みが出る場合は調整が必要です。

食生活(インプラントと入れ歯の食べ応え)

食事を元気にとることは、健康的に生活していく上でとても大切なことですが、この食事の時のお口がインプラントと入れ歯では異なります。
インプラントで噛んだ時は、噛んでいる力がアゴの骨にしっかり伝わるため、ご自身の歯に近い感覚です。
一方、入れ歯では、ガタつきがあるため、噛む力が弱くなりがちです。また、熱い・冷たいなどの温度感覚も感じづらくなります。

元気な食事イメージ

アゴの骨への影響

インプラントは、アゴの骨に直接埋め込みます。アゴの骨に穴が開くと心配になる方もいるかもしれませんが、骨に埋め込むのはチタンという骨と強く結合する特殊な金属です。手術から3か月程度で強く結します。またインプラント装着後もアゴの骨に歯が咬み合う刺激が正常に伝わるため、アゴの骨が細くなるなどのリスクはほとんどありません。
一方入れ歯は、アゴの骨に埋め込むことはないものの、本来歯があった時に咬み合っている刺激が骨に伝わらないため、アゴの骨が薄くなっていきます。
長期的に考えて、骨への影響はインプラントの方がやさしいと言えるでしょう。

治療の負担

入れ歯は手術など必要なく、数回の治療で完結します。
しかし、インプラントは約半年にわたり治療が必要となりますし、インプラントを埋め込む際は手術となります。
インプラントを埋め込む骨に十分な厚さがない方、また糖尿病・腎不全・肝炎・心臓病・ぜんそく・リウマチ・骨粗鬆症・高血圧・妊婦さんなどは治療ができないことがあります。

経済的な負担と耐久性

入れ歯については保険適応のものがあり、導入しやすいと言えるでしょう。ただし、インプラントに比べると耐久性は劣るため、経年劣化した場合は調整が必要になること、着け心地や耐久性が良いものを選ぶと自費診療となる点では注意が必要です。
インプラントについては、保険適応がなく、自費診療のみとなります。日ごろの歯のお手入れをしていれば、長期間維持できます。

インプラントに向いている人・向いていない人

インプラントに向いている人

このように全体を通して、インプラントの方が機能性・審美性に優れていると言えるでしょう。
お口の健康寿命を考えると、可能な限りインプラントがお勧めであるともいえます。
また、現在入れ歯を入れていて、痛みやぐらつきがある方も、インプラントに変更できる場合があります。
ただし、インプラントの手術に耐えられる体力や骨の厚みが必要となります。

インプラントに向いていない人

  • インプラントの骨が十分になく、骨の再生も難しい方
  • 糖尿病・腎不全・肝炎・心臓病・ぜんそく・リウマチ・骨粗鬆症・高血圧・妊婦さんなど

は治療できない場合がありますので、まずは歯科医に確認してみることをお勧めいたします。
また、インプラントは虫歯になりませんが、歯周病にはなります。せっかくインプラントを入れたとしても、歯周病により脱落することがありますので、日頃のお手入れや定期健診が必要です。

入れ歯に向いている人・向いていない人

入れ歯に向いている人

入れ歯に関しては、保険適用のものもあり、導入しやすいという利点があります。

  • 高齢の方(インプラント手術ができる体力がない方)
  • 在宅医療などで、日ごろの歯のお手入れが難しい方

は入れ歯の方が向いていると言えるでしょう。
着け心地・食べ心地については、自費診療のものを選ぶと、改善できますので、試してみることをお勧めします。

入れ歯に向いていない人

インプラントの治療が可能で、健康的な食生活を維持したい方は、インプラントを選択されることをお勧めいたします。
また、せっかく入れ歯を作ったのに、違和感や痛みにより入れ歯を外してしまう方は、歯科医院で調整を受けることをお勧めします。

未来の自分に自信が持てる歯のために

納得をしてから、治療を

ご自身の歯を失なってしまうのは、どなたも不本意なことだと思います。それでも、治療の選択肢についてよく知り、ご自身が納得してから治療することをお勧めいたします。
当院以外で、インプラントの治療をしていない歯科医院に通っている場合は、インプラントの治療の可能性を聞いてみるとよいでしょう。

失った歯をそのままにしない

万が一、抜けた歯をそのまま放置した場合、歯がないところを補うように周囲の歯が動き出します。向かい側の歯が伸び出たり、隣の歯が倒れたり移動したりします。やがてお口全体の歯並びが崩れ、審美的な見た目だけでなく、機能的な咬み合わせも悪化していきます。
失った歯は、早めに治療することをお勧めします。

一病息災

一病息災といって、一つくらい病気があるほうが、ご自身の体と向き合い健康になるという言葉があります。同じように、歯を失うことでご自身の歯と向き合ってお口の健康状況が良くなった方が当院には多くいます。
お口に残っている歯、インプラント、入れ歯などで、お口の健康状況を良くしてみてはいかがでしょうか。